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大学入試と英検

 最近、生徒から英検(実用英語技能検定)あるいはTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)の試験対策を依頼されることが非常に多くなってきました。この理由は明白であり、近年「英検の取得級やTOEICの得点に応じ、大学入試で優遇措置(入学試験免除、入試の判定優遇・点数加点など)を与える大学が増えてきた」からです。

 これらの民間試験は2020年度以降は、さしあたり大学入試共通テスト(旧称:センター試験)と併せて活用されることはなくなりましたが、それでも広島大・千葉大・大阪教育大・金沢大・福井大などの国公立大や早稲田大・立命館大といった有名私立大の多くの学部が独自に英語民間試験の成績も合否判定に利用すると発表しており、多くの受験生が少しでも有利に受験を進めようとその対策を講じています。また、高校生が大学の指定校推薦に出願する場合、高校側が生徒に英検2級(もしくは準2級)以上の取得を義務付けている場合も多く、そのための英語民間試験対策という側面もあります。

 これまでセンター試験の英語は主に「読む」能力を問うものであり、それに「聞く」力を試すリスニングテストが付随しているというものでした。しかし年々拡大し複雑化するネット社会、および加速するグローバル化社会の影響で近年「自らが英語で意見を発信する能力」が重要視されはじめ、それに伴い大学入試にも次第に「書く」「話す」能力が求められるようになってきたのです。結果として、この2つの技能を測定できる英検などの民間試験を各大学が利用するのは自然な流れと言えます。

 このような背景から、最近ではますます多くの中高生が英検等の対策に力を入れつつあり、今後この傾向に拍車がかかることは間違いありません。将来の大学受験を有利にすすめるため、あるいは大学入学後に様々な優待を受けるために、今や英語民間試験の対策は中高生にとって必須と言ってもよいのではないでしょうか。

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